ビクトリノックスの歴史

ビクトリノックスは1884年の創業以来、とどまることなく進化し続けています。ビクトリノックスの歴史の中で需要な節目となった出来事をご覧ください。

1884年、ビクトリノックスの創設者カール・エルズナーがスイスのイーバッハで刃物のワークショップを開設した当時、彼がまもなく開発するマルチツールが日々の備えの世界的な象徴となり、日常生活だけでなく宇宙空間にまで進出するなど想像もしていませんでした。

オリジナル・マルチツールのメーカーとしての伝説を生きるビクトリノックスは、140年以上にわたって、精密さと気配りをもって、考え抜かれた商品をつくり続けてきました。

今日、ビクトリノックスは、マルチツール、家庭用およびプロフェッショナル用ナイフ、ウォッチ、トラベル&ビジネスギア、フレグランスの5つの商品カテゴリーを展開するグローバル企業となっています。これが、ビクトリノックスの歴史における、重要な節目となった出来事です。

1884年

カール・エルズナーが、スイスのシュヴィーツ州イーバッハにナイフのワークショップを開設。母親のビクトリアが献身的に支える。

1891年

初代カール・エルズナーがスイス・マスター・カトラーズ組合を創設し、初めてスイス製のソルジャーナイフをスイス軍に大量に供給するようになる。現在もこの関係は続いている。

1897年

現在のマルチツールの原型であるオフィサーナイフが「オリジナル・オフィサー・アンド・スポーツナイフ」として特許を取得。これは現在「オリジナル・マルチツール」として世界に知られている。

1909年

亡くなった初代カール・エルズナーの母親への敬愛を込め、彼女の名前である「Victoria(ビクトリア)」をブランド名にする。また、スイス国旗とそれを守る盾「クロスアンドシールド」を商標として登録。現在、120ヵ国以上で商標として登録されている。

1918年

二代目カール・エルズナーがワークショップの経営を引き継ぐ。

1921年

刃物産業にとって革新的な素材である、ステンレススチール(Inox)が開発される。

この「Inox(イノックス)」と「Victoria(ビクトリア)」を一つに組み合わせた「Victorinox(ビクトリノックス)」が現在の社名およびブランド名になっている。

1931年

二代目カール・エルズナーが、オートメーションを導入。1931年、Brown Boveri社が開発した熱処理、焼入れ用電炉を世界で初めてイーバッハで採用。これにより、常に一貫した高品質ナイフ製造の体制が整う。

1945年

米国陸軍が駐屯地の売店のために大量のマルチツールを発注。

マルチツールは、第二次世界大戦後、ヨーロッパに駐屯していた兵士たちに人気のお土産となった。

1950年

三代目カール・エルズナーが経営を引き継ぐ。

1977年

オリジナル・マルチツールがニューヨーク近代美術館(MoMA)に常設展示される。

1978年

NASAより、当時最も人気のあるオフィサーナイフであったマスター・クラフツマン50本を受注。

1979年

「Messerfabrik Carl Elsener」が、同族会社「Victorinox AG」になる。

1984年

スイス、イーバッハの工場と事務所を倍の規模に拡張。

1989年

かつての米国の販売提携先とともに、スイスアーミー・ブランドとして北米の"ウォッチ"市場に参入。

慈善運動への取り組み

1993年

日本に初めて自社販売会社「ビクトリノックス・ジャパン」を設立。

1994年

国内外の慈善活動を支援するためにCarl and Elise Elsener-Gut慈善財団を設立。

1999年

米国の「TRG Group」をライセンシーとして、トラベル&ビジネスギア市場に参入。

新たなミレニアムの始まり

2000年

Victorinox AGの株式資本の90%を所有するビクトリノックス財団を設立。残りの10%は、非営利団体であるCarl and Elise Elsener-Gut慈善財団が保有。

2001年

米国でアパレルの販売を開始、ニューヨークのソーホーに初のビクトリノックス直営店をオープン。

2005年

スイス、デレモンに拠点を置くスイスナイフおよびウォッチの老舗メーカー、Wenger SA(ウェンガー)を買収。ビクトリノックスは、ウォッチとトラベル&ビジネスギアを中心に、現在もウェンガーブランドを運営している。

マルチ製品ブランドになる

2007年

四代目カール・エルズナーが経営を引き継ぎ、ビクトリノックスをグローバルなマルチ製品ブランドとして拡大。「Victorinox Swiss Army Fragrance AG」を設立。

2008年

ロンドンにヨーロッパ初のビクトリノックス旗艦店をオープン。

2013年

ウェンガーのナイフ事業をビクトリノックスのブランドに統合。

2014年

以前のライセンシーのトラベル&ビジネスギア事業を買収し、新規事業ユニット「Victorinox Travel Gear AG」を設立。

チューリッヒの中心街にビクトリノックス旗艦店をオープン。

2016年

スイス、デレモンに「Watch Competence Center」を建造。

2017年

「オリジナル・マルチツール」の生産が累計5億本に達する。

核となる製品カテゴリーに集中するためアパレル部門事業を終了。

2020年

スイスのゼーヴェンにヨーロッパ配送センターをオープン。

スイスの伝統的なエコノミー ピーラーのメーカーであるZena Swiss AGを買収。

ウィーンにヨーロッパ初のビクトリノックス フランチャイズ店舗をオープン。

2022年

「オリジナル・スイスオフィサー&スポーツナイフ」の125周年